本の要約サービスflier×UI銀行トップ対談−「新しい時代のお金と教養」【前編】
2022年02月01日
TOPICS
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本の要約サービス「flier(フライヤー)」を運営する株式会社フライヤーのCEOとUI銀行の代表取締役が対談
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フライヤーはビジネス書を中心に、1冊を約10分で読める要約にまとめてお届けするサービスを提供している
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本で学んだ知識をうまく咀嚼すれば、ビジネスの課題解決にも役立つような資産になる
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UI銀行のブランドコンセプト「ふやすのは、わたし資産」は、読書を通じて得られる教養にも通じる
2022年1月からサービスを開始したUI銀行。その初代・代表取締役社長を務める田中俊和さんと、パートナー企業である本の要約サービス「flier(フライヤー)」を運営する「株式会社フライヤー」の代表取締役CEO・大賀康史さん。両氏が対談を通じてデジタルサービスのあり方と、共創のアイデアを探ります。前編のテーマは、両社のサービスの核となる「お金」と「教養」について伺いました。これからのお金と教養、そしてその2つが結びつくところとは?
金融だけではない、生活に溶け込むサービスを提供したい
――あらためて、両社について教えてください。まず、UI銀行とはどのような銀行でしょうか?
田中:UI銀行は、きらぼし銀行を中核とする東京きらぼしフィナンシャルグループ傘下に新しくできたデジタルバンクです。デジタルバンクとは、実店舗がなく、すべてのサービスをモバイルで完結できる新しいカタチの銀行のこと。これまで銀行に敷居の高さを感じていた方や、日中は来店できない方も利用しやすくなり、利便性が大きく向上すると考えています。
インターネットバンキングとデジタルバンクはどう違うのかとよく聞かれるのですが、私たちは、金融だけではない多様なサービスを提供するのがデジタルバンクと考えています。最初は預金と為替のサービスからスタートし、将来的には異業種と連携しながら、たとえば、ご高齢者の移動をサポートする情報であったり、見守りサービスや健康増進につながるサービス、お買い物機能などの生活に溶けこむサービスを充実させていき、お客さまのより質の高い生活、豊かな人生に貢献したい。私たちの地盤である首都圏はもとより全国のお客さまに使って頂きたいと考えています。
お客さまも、連携パートナーも私たちもWin-Winの関係を築き、みんなが喜べる環境をつくる。それが、私たちが目指す新しい銀行です。今日はフライヤーさんとも連携パートナーとして、色々な対話ができればと思っています。
10分のすきま時間で知を満たすサービスが生まれた理由
――それでは、フライヤーのサービスについて教えていただけますか?
大賀:私たちはビジネス書を中心に今読むべき本を厳選し、1冊を約10分で読める要約にまとめてWEBやアプリでお届けするサービスを提供しています。2013年に創業し、現在の会員数は約90万人※。ここ2、3年は個人ユーザーだけでなく、人材育成の一環として法人にご契約いただくケースも増えています。変化の大きい時代、すきま時間を有効活用して自分自身を高め、確固たるキャリアを築こうと努力されている方が多くいらっしゃるのだなと感じています。
田中:きらぼし銀行も法人契約させていただいていますが、フライヤーさんの要約は読み手の主観が入るレビューとは異なり、原著のエッセンスを適切に汲んで伝えてくれる。そこに高い信頼性を感じます。素朴な疑問ですが、このサービスは出版社と利益相反にもなりかねないと思うのですが、どのようにして良好な関係を築かれているのですか?
大賀:出版社との関係について、よくご質問いただくのですが、実はとても良い相互作用が生まれているんです。フライヤーの要約を読むことが、読者と本の出会いの場となり、それが書籍購入につながっています。現在、出版社約180社、書店800超の店舗と協業しており※、読者、著者、出版社、書店、私たちもみんながハッピーになるエコシステムを構築できています。私たちが大切にしているのは「三方良し」のビジネスです。田中社長がおっしゃった「みんなが喜べる環境をつくる」というビジョンと共通するものがありますね。
※2021年12月時点
お金は選択肢の1つだと、なくなって初めて体感できた
――ここからは、これからの時代、両社が提供する「お金」と「教養」が私たちにどのような価値をもたらすのかを考えていきたいと思います。そもそも「お金」について、お2人はどのようにお考えでしょうか?
田中:私は、お金は幸せをつかむための手段ととらえています。お金を貯めたり増やしたりするのがKPI、お金によって得られる幸せや満足がKGI。そのようなイメージですね。
大賀:私は起業したとき、お金が一度、きれいになくなったんですよ。家族もいて住宅ローンもあって、どうやって生きていくのかという状態でしたが(笑)、意外と幸せに生きることができたんですね。お金がない状態をちゃんと知ることで分かったのは、お金はなくても大丈夫だけど、あればそのぶん選択肢が広がるということ。お金を選択肢の1つとして明確に位置付けられるようになったんです。だからこそ、お金を使うときは意識して使うことが大事だと考えています。私の場合、本であれ金融商品であれ、長期にわたって自分に幸せをもたらす使い方を選ぶようにしていますね。
田中:重要なのは、お金をどう活かすかですよね。お金は活かし方次第で、大きな可能性を引き出してくれるものでもあります。
大賀:個人的な願いとしては、これからはお金がより世のため、人のために使われるようになるといいなと思っています。今はESG投資やSDGsの動きもあり、それが少しずつ現実化してきているなと感じています。
田中:お金の使われ方が確実に変わりつつありますね。お金を通じて持続可能な社会を実現する動きは今後さらに加速するでしょうし、お金を人や社会に役立てたいと、寄付を厭わない人が若い世代を中心に増えているのも心強い。UI銀行としても、その動きを後押ししたい、そんな仕組み作りが出来たらと考えています。
お金も教養も、将来にわたって豊かさをもたらす「わたし資産」
――お金は可能性を広げるものであり、より良い社会の実現に果たす役割も大きいということですね。「教養」についてはどのようにお考えでしょうか?
大賀:多くのことを知ること、理解することもまた、人生の可能性を広げてくれると思います。知が蓄積されることによってキャリアの幅も広がりますし、ひらめきやイノベーションも生まれやすくなる。知を得ることによって悩みが晴れ、目の前が開けるということもあります。「歴史哲学や宗教の知識が実生活の役に立つのか?」と思われるかもしれませんが、たとえばデカルトやカント、量子論、仏教哲学で語られていることが、会社の組織運営など目の前の課題解決に役立つケースがたくさんありますよ。説明すると1時間かかるので控えますが(笑)。
田中:歴史や宗教には普遍的なものがあって、古きにあたり本質を突きつめていくと、新しいところへの近道が見つかる、ということが業務でも多々あります。伝統があり、古い慣習も多く残る銀行という存在を、培ってきたものを守りながらいかにスクラップアンドビルドしていくべきかと考えるときも、まさにそうです。本を通じて事例や先人の考えを知ることは仕事に不可欠ですね。
大賀:はるか何千年も昔から、人間の英知を連綿と継いでいるのが本という存在です。時代は変わっても、本から学び活かせることはたくさんあると思います。
田中:読書から得られる知識や教養は、より良い判断の助けとなるだけでなく、知的好奇心を満たし、人生を豊かにしてくれます。人生100年時代を幸せに生きるために、お金同様、大切な資産になると思いますね。
――教養も資産になるということですね。UI 銀行はこれからの資産形成について、どのようにお考えですか?
田中:私たちは「ふやすのは、わたし資産」をコンセプトに、これからの資産形成をサポートしていきたいと考えています。「わたし資産」とは金融資産のみならず、それこそ知識教養や、健康や人とのつながり、スキル、経験といった、将来にわたって「わたし」に豊かさをもたらす有形無形の資産です。お客さま が豊かな「わたし資産」を築いていけるようサポートするのがUI銀行の役割であり、存在意義と考えています。フライヤーさんとのパートナーシップによって、お客さまの資産形成に不可欠な知識教養を提供できるようになりました 。これにより、銀行という枠組みを超え、新たな価値を生み出すことができるのではと期待しています。
まとめ
「Win-Winな関係」を目指すUI銀行と「三方良し」のビジネスを展開するフライヤー。2社が共通するのは、お客さまの資産を増やし豊かな暮らしをサポートしたいということでした。同じ想いを抱く両社のサービスが掛け合わさることで 、どんな新しい価値を生み出せるのでしょうか?後編はいよいよ、2人が共創に向けたアイデアを交わし合います。
株式会社フライヤー 大賀康史CEOのおすすめ本
――「本は先生であり相棒であり参謀」といい、普段から幅広いジャンルの本を読む大賀社長。最近読んだなかからおすすめの1冊は?
大賀:堀内勉氏による「読書大全 世界のビジネスリーダーが読んでいる経済・哲学・歴史・科学200冊」(日経BP)です。これはすごい本ですよ。時代の流れと各学問領域の流れを知ることができます。 さらに、各領域のいわゆる名著が紹介されているので読書のガイドブックとしても素晴らしい。世の中にどんな知が存在するのか、全体像を把握する手助けにもなります。いわゆる教養を身につけたい、古典的な知に触れたいという方にも役立つ1冊です。
企業プロフィール
株式会社フライヤー
「flier(フライヤー)」は、ビジネス書の新刊や話題のベストセラー、名著の要約を1冊10分で読める形で提供するサービス。通勤や休憩などのスキマ時間に、効率良くビジネスのヒントや教養を身につけられます。社員教育の一環として法人契約する企業も増えています。
UI銀行
UI銀行は、連携パートナー、またきらぼし銀行を始めとしたグループ各社と協働し、対面・非対面それぞれの良さを活かした多様なサービスを通じ、お客さまのお金だけでなく、健康や知識といった見えない資産=「わたし資産」を増やすお手伝いをしていきます。
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