本の要約サービスflier×UI銀行トップ対談−「新しい時代のお金と教養」【後編】
2022年02月08日
TOPICS
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UI銀行は現在「シニアにやさしいデジタル」の実現を掲げている
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一方、フライヤーは「ヒラメキ溢れる世界をつくる」をビジョンに、知のプラットフォームを目指す
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知とシーンの組み合わせが今後加速することで、2社のさまざまな共創も可能になるはず
2022年1月からサービスを開始した「UI銀行」の代表取締役社長・田中俊和さんと、連携パートナーである本の要約サービスを運営する「株式会社フライヤー」の代表取締役CEO・大賀康史さんによる対談の続きをお届けします。後編では2社の共創について、お互いの想いやアイデアを交わし合います。
前編はこちら:本の要約サービスflier×UI銀行トップ対談−「新しい時代のお金と教養」【前編】
高齢化社会に貢献。目指すは「シニアにやさしいデジタルバンク」
――田中社長のこれまでの歩みをお聞かせください
田中:私は石川県出身で、大学卒業後に銀行に入行しました。銀行員の道を選んだのは、企業の成長に不可欠な金融面から企業をサポートすることによって、お互いに高め合い、成長を共に喜び合いたいとの想いからです。
2020年10月からは、きらぼしデジタルバンク設立準備会社(現在のUI銀行)を率い、現職に至っています。
――UI銀行が今後とくに力を入れていきたい取り組みは何でしょうか?
田中:「シニア世代の方々にもやさしいデジタルバンク」を目指し、金融業界の立場から、高齢化社会のデジタル化に貢献したいと考えています。現状におけるきらぼし銀行のメイン顧客はシニア層です。シニアの方たちがこれまで以上にスマートフォンなどのモバイル機器を使えるようになれば、わざわざご来店頂いたり、店頭でお待たせしたりすることもなくなります。対面型のきらぼし銀行と連携をはかりながら、対面・非対面の双方からサポートを行い、まずはシニアの方にデジタルを身近に感じてもらうことからスタートしたいと考えています。ゆくゆくはテクノロジーを活用し、デジタルでの家族の温かみや、孤立を防ぐ取り組みもしていきたいですね。
「知のプラットフォーム」はあらゆる社会課題の解決に役立つ
――大賀CEOがフライヤー起業に至った経緯を教えてください
大賀:私は最初に就職したのがコンサルティング会社なんです。当時は業務に必要な知識をインプットするために、本を何10冊と買いこんでは仕事の合間を縫って読みこむということをしていました。というのも、その道何十年の経営者に向かって、経験のない私が事業戦略の立て直しを提案するためには、知識レベルだけでも上回る必要があったからです。でも当時は毎日とにかく忙しかったので、ビジネスのトレンドや読むべき本を、すきま時間にスマートフォンでキャッチアップできたらどんなにいいかと思ったんですね。
そこで思い出したのが、大学院時代の体験です。私は大学院で環境負荷の低いエンジンの研究をしていて、そのときも研究関連の論文を膨大に読んでいたのですが、自分が読むべき論文を探すのに、論文冒頭にある「abstract(論文の概要を簡単にまとめた文章)」がすごく便利だったんですよ。そこからアイデアを得て、自分が一番欲しいサービスをつくろうと立ち上げたのがフライヤーです。
――フライヤーが今後、取り組みたい社会課題はありますか?
大賀:フライヤーは「ヒラメキ溢れる世界をつくる」をミッションに掲げ、そのために本の要約サービスという知のプラットフォームを築いてきました。これって実は、あらゆる社会課題を解決するのに役立つものだと思うんです。たとえば「日本が抱える人口問題を解決したい」「日本の世界的競争力の低下に対処したい」となったとき、必ずその問題について語っている本があるんですね。
「車輪を再発明する必要はない」といわれるように、最初から自分で考えるよりも、先人の考えに自分のアイデアを掛け合わせたほうが断然、生産性が高まります。新しいアイデアを既存の知といかにスムーズにつなぐか、それこそがフライヤーの役割です。社会のために新しいことにチャレンジしたい人、変革を起こそうとする人たちを下支えし、背中を押すサービスをこれからも提供していきたいと考えています。
瞬間をとらえ、タイムリーに「知」を届ける
――ここまで両社のサービスやビジョンをお話いただきましたが、それをふまえ、UI銀行とフライヤーの共創について自由なご意見をお聞かせください
田中:フライヤーさんとの共創は、UI銀行が目指す「わたし資産」の教養に当たる知的好奇心を満たすサービスの提供につながると期待しています。さらに、両社の基盤を共有することで、お互いにこれまでアプローチできなかった層にアプローチすることも可能になりますね。
大賀:将来はAIの進化によって、知や情報とシーンの組み合わせがより効率化、最適化されるはずと考えています。たとえば、ショッピングセンターで買い物中に空き時間ができたときはこんな本というように、日常やライフステージの瞬間をとらえて、その時々に本当に必要な情報をタイムリーにお届けできるようになりたいですね。それはフライヤー単独ではできません。生活のプラットフォームを構築されるUI銀行さんと組むからこそ可能なサービスです。
田中:本を通じて「自分はこういうことに興味があったんだ」「こういうものが欲しかったんだ」とお客さまの潜在的な可能性を引き出すことができるアイデアですね。ぜひ、フライヤーさんと一緒に実現化へ向けて取り組んでいきたいと思います。私たちが保有する顧客の属性データや金融データ、デジタルバンクで蓄積する行動履歴や回遊履歴などの情報も活用し、実現していきたいですね。
――それでは最後に、対談の感想と今後の抱負をお願いします
大賀:田中社長のお話を伺い、UI銀行さんの志の高さと、シニアの方など1人ひとりが抱える悩みや問題に向ける温かいまなざしを感じました。デジタルを駆使しつつ、人のぬくもりを感じられるサービスを創出される、そんな予感がしています。そこに私たちも参加させていただくことで、人々がより幸せに生きられる社会に貢献していきたいと思います。
田中:大賀CEOとの対話を通じて、デジタルバンクの可能性を改めて実感できました。UI銀行は、国内デジタルバンクの先発という意味でも大きなチャレンジです。行員はみな、大きなやりがいと未知なる世界へのワクワク感を持って臨んでいます。やるからには、ユニークさをとことん追求し、みなさまから必要とされるオンリーワンの銀行になりたい。最初から完璧とはいかないかもしれませんが、お客さまや連携パートナーの皆さまとともにサービスを育てていけたらと思っています。
<まとめ>
大賀CEOと田中社長のディスカッションから引き出されたのは、「“知”と“シーン”のクロス」というキーワード。2社の共創が、私たちの未来や暮らしを拡張してくれる可能性を感じる対談となりました。国内デジタルバンクの先駆けであるUI銀行が、業界の垣根を超えた共創によってどんな世界を創りだしていけるのか?このUI未来Baseというメディアを舞台に、今後もさまざまなパートナーとの対話を展開していきます。
UI銀行 田中俊和社長おすすめの本
――「今は業務に直結するビジネス書を読むことが多い」という田中社長。最近の読書から、刺激を受けた本は?
田中:斎藤幸平氏の「人新世の『資本論』」(集英社新書)です。気候変動危機が深刻化するなか、資本主義をやめても社会は滅び、続けても滅びてしまう。そんな人類が直面する問題を解決する道筋を示した本で、非常に大きな刺激を受けました。1人の人間としても経営者としても、これからどうあるべきかを考える手立てになる1冊だと思います。
企業プロフィール
株式会社フライヤー
「flier(フライヤー)」は、ビジネス書の新刊や話題のベストセラー、名著の要約を1冊10分で読める形で提供するサービス。通勤や休憩などのスキマ時間に、効率良くビジネスのヒントや教養を身につけられます。社員教育の一環として法人契約する企業も増えています。
UI銀行
UI銀行は、連携パートナー、またきらぼし銀行を始めとしたグループ各社と協働し、対面・非対面それぞれの良さを活かした多様なサービスを通じ、お客さまのお金だけでなく、健康や知識といった見えない資産=「わたし資産」を増やすお手伝いをしていきます。
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