Meteor×UI銀行【前編】 めったに聞けない! eスポーツ業界の「お金」と「キャリア」
2023年02月28日
TOPICS
- 寝不足、肌荒れは当たり前。eスポーツ選手の過酷なランク争い
- 賞金は「ボーナス」。億単位のお金が動くeスポーツ業界
- 20代での引退が多いeスポーツ選手。その後のキャリアは?
コンピューターゲーム、ビデオゲームなどをスポーツ競技のように対戦形式で行なう「eスポーツ(esports)」。オリンピックの正式種目にも検討されているほど、世界的に注目されている競技です。2018年には「一般社団法人日本eスポーツ連合」が設立され、日本でも市場規模や、競技人口、ファン数が年々増加しています。
今回は、UI銀行と同じく東京きらぼしフィナンシャルグループのグループ会社であるきらぼし銀行がスポンサーを務める、プロeスポーツチーム「Meteor(ミーティア)」の拠点である神奈川県藤沢市のオフィスにお邪魔して、代表の相澤利春さん、選手のAvadon(アバドン)さんとBrasidian(ブラジディアン)さんに、チームとしての活動内容や、eスポーツ選手のマネー事情など、さまざまなお話をうかがいました。
eスポーツ選手になれるのは、1億分の500の確率!?
UI未来Base:AvadonさんとBrasidianさんは、2019年に配信が開始された「Apex Legends(エーペックス レジェンズ)」という対戦ゲームをプレーする選手。お二人がeスポーツ選手になったきっかけは何だったのでしょうか?
左がBrasidian(ブラジディアン)選手、右がAvadon(アバドン)選手
Avadon:高校生の頃に別のゲームで日本一を決める大会で、優勝した経験があって。そのゲームの知識を活かして、「Apex Legends」をやり始めました。そこで順位を決めるランクマッチ(ゲームで好成績をおさめ、ポイントを稼ぐことで順位を上げていく仕組み)に参加して、上位にランクインしていたときに、企業から声をかけてもらってプロ契約をしたという流れです。
Brasidian:僕もTwitterのDMで直接声をかけてもらったのがきっかけですね。もともとずっと趣味でゲームをしていたんですが、19歳のときに生死をさまようくらいの大事故に遭い、しばらく家で療養しないといけない時期があったんです。やることがないので、ひたすらゲームばかりしていたら、別のゲームの大会で優勝したり、「Apex Legends」で世界500位以内にランクインしたりするようになりました。そうしたら企業から声がかかったという感じですね。
UI未来Base:世界で500位! 「Apex Legends」のプレイヤーの母数はどのくらいなんでしょうか?
相澤:「Apex Legends」は2021年4月にプレイヤーの人口が1億人を突破し、今も増え続けています。トップ500位以内にいる人は、世界中の「Apex Legends」をプレーしている人口のうち0.1%くらいだと思いますね。さらに、その中でも上を目指す人がランクマッチに参加するのですが、負けたらランクが落ちてしまうので、一定のレベルにい続けるのはかなり大変なことなんです。
Avadon:ランクマッチに集中するとストレスと不摂生で肌が荒れますね(笑)。
Brasidian:毎日睡眠5時間くらいで、起きている間はずっとプレーしているようなときもありました。それで世界20位までランクインしたことがあります。
UI未来Base:寝食を削って戦う過酷な競技なんですね……。
Meteorを運営する株式会社Litm(リトム)代表の相澤 利春さん
UI未来Base:eスポーツが世に知られるようになったのは最近ですが、Meteor自体も、2021年10月に発足したばかりとのこと。相澤代表がeスポーツチームを設立しようと思ったのは、どうしてなのでしょうか?
相澤:私はここ藤沢市出身なのですが、小、中学校時代はずっとサッカーをやっていたんです。その後はゲームにハマって怠惰な日々を送ってしまいましたが(笑)。でも学生時代にeスポーツという概念を知り、ゲームにもサッカーなどのリアルスポーツと共通する要素がたくさんあることに気づいたんです。それがMeteor設立のきっかけですね。
UI未来Base:なるほど。eスポーツもチームプレーですし、判断力や瞬発力などリアルスポーツと同じような能力が必要ですからね。
相澤:その通りです。Meteorは、母体が不動産事業を展開している会社なのですが、不動産という「リアル」と、eスポーツの「バーチャル」と、その両方を事業としたらおもしろいのではないかと考えました。また事業としても分散投資的な考えもありました。
UI未来Base:リアルとバーチャルの2軸というのは、UI銀行も同様なので、とても共感できます。どちらも大切にすることで、より多くの人に事業やサービスの魅力を伝えることができますし、新たな化学反応も起こりやすいですよね。
実際どれくらい稼げるの? eスポーツ選手のリアルなマネー事情
UI未来Base:eスポーツ選手の方は、どのようにして収入を得られているのでしょうか?
Avadon:基本は会社からの固定給と大会での賞金です。僕はゲームの専門学校の講師もしているので、そこでの収入もありますね。あとは、たまにゲームのライブ配信をするんですが、そのときにファンからいただく、いわゆる「投げ銭」も収入源の1つです。
Brasidian:僕もだいたい一緒ですね。それに加えて、イベントの出演料かな。2021年8月に幕張メッセで行われた、ファン投票で選ばれた選手が出演するイベントがあったんですが、そういうものに出ると出演料が発生するんです。
UI未来Base:なるほど。いろいろな収入源があるんですね。
相澤:プロのゲーマーでも、ライブ配信をメインに活動する人と、この2人のように競技に出る選手とに分かれます。ライブ配信が主軸の人であれば、例えば今日発売されたばかりのゲームをプレーすることで、話題性を高めてフォロワー増やすということができるんですが、競技選手だと、1つのゲームに特化してそればかりを練習しないといけない。だから、選手の方がなかなか収入を増やすのは難しいかもしれませんね。
UI未来Base:大会では億単位の賞金が出ると聞いたのですが、本当ですか?
Avadon:よく「賞金30億円!」とか見ますけど、それは全チームに配られる賞金の総額なんです。基本的に出場した全チームが賞金をもらえる仕組みなので、1位だったらチーム3人で大体3,500万円とかになりますね。
Brasidian:世界大会優勝チームだと、どのチームにも1億円ぐらいの額が入ることもありますよ。日本だとプロリーグでの1位チームは、3人で550万ぐらいが相場でしょうか。
UI未来Base:各チームに1億!さすが世界大会、夢がありますね。
相澤:eスポーツは、ビックマネーが飛び交っているイメージが強いかもしれませんが、実は賞金だけで食べていける人はそう多くないんです。それよりも、大会で1位になって知名度が上がることで、配信のチャンネル登録者数が増えて、それによってメディアに出られるようになる、というのが、基本的な収入が増える流れですね。
Avadon:ボーナスみたいな感じですね、賞金は。
UI未来Base:大手企業が参入したりと華々しいニュースを最近よく見ますが、やはり実際は地道な努力が大事なんですね。ところで選手のお二人は普段、eスポーツで得たお金をどんなことに使われていますか?
Avadon:僕は基本的に物欲がないので、友達の誕生日プレゼントとか自分以外の人にお金を使うことが多いんですよ。あとは食ですね。おいしいものがあると聞いたら遠くても食べに行っちゃいます。
UI未来Base:プレゼントは、単なる消費活動ではなく、思い出づくりにもつながりますよね。どんなものを贈ったら相手が喜んでくれるかと考えるのは、これまで一緒に過ごした時間を振り返る充実した時間になりますし、相手との関係性をあらためて考えるきっかけにもなるでしょう。喜ぶリアクションを見てうれしい気持ちになることも、相手との絆がさらに深まることも、プレゼントがもたらす素敵な「わたし資産」ではないでしょうか。
Brasidian:僕はゲームの機材ですね。最近は配信用に2~3万円くらいするウェブカメラを買いました。
UI未来Base:仕事用の機材や道具は少々高くても、よいものを選んだ方が後々自分に返ってくるメリットが大きそうですね。逆に、節約やお金の管理でこだわっていることはありますか?
Avadon:僕は支出の管理は全然していないんですけど、基本は自炊ですし、そんなに贅沢はしない方なので、結構貯まっていると思いますよ。使い過ぎてしまいそうだから、クレジットカードは持っていないんです。いつも、すぐ引き落とされるデビットカードで支払っています。
UI未来Base:確かにデビットカードだと口座の預金残高までしか利用できないので、無駄遣いを防いでくれますね。
Brasidian:僕も節約はあまりしていないですね。でも、何にいくら使ったかは把握しておきたいタイプなので、スマートフォンのメモアプリに購入物とその金額を書いて家計簿みたいに管理しています。この間、電気代をチェックしたら2万円もかかっていてびっくりしたので、電気代の節約が目下の課題ですね。
「好き」が人生の可能性を広げていく。eスポーツ選手のキャリア形成
UI未来Base:eスポーツ選手は、反射神経や瞬発力が命なので20代のうちに引退する人が多いと聞きましたが実際どうなのでしょうか?
Brasidian:多くの場合そうですね。eスポーツは、チームにコーチとアナリストがいるので、引退後はそこを目指すか、ライブ配信者になる人が多いです。あとは、Avadonみたいに専門学校の講師ですね。
Avadon:僕は選手を辞めた後のことは、辞めてから考えようかなって思ってます。基本的に、「死ななきゃいいや」というスタンスなんです。
相澤:Avadonは人脈が広いしエンジニアのスキルも持っているから、いろいろできることがありそうですけどね。
Avadon:そうですね。高校生のときに簿記とかパソコン系の資格もたくさん取ったんですよ。それを活かす道もあるかなと。
UI未来Base:人脈や資格といったものは、人生にさまざまな選択肢を与えてくれる無形の資産ですね。Avadonさんは学校の先生もされていますし、選手を引退された後もいろんな活躍が期待できそうです。Brasidianさんはいかがですか?
Brasidian:僕は、19歳のときに命に関わるほどの大事故にあってから、自分の好きなことを第一にやりたいことをやり切るというスタイルを貫いています。ファッションが好きなおかげで今、Meteorに所属しながらアパレルブランドのモデルもやらせてもらっているんですが、そういった自分の「好き」にまつわる仕事を今後もどんどんやっていけたらいいなと思っていますね。
UI未来Base:ゲームをとことん極めたからこそ、別の好きなジャンルとのつながりが生まれたんですね。ゲームでもファッションでも自分の好きなものに全力で取り組むと、そこから新たな道が拓けていきますね。
まとめ
なかなか知ることができない、eスポーツ選手の普段のお金の使い方や暮らしぶりなどが垣間見える楽しい対談となりました。後編では、UI銀行のテーマでもある「わたし資産」を軸に、さらに皆さんのパーソナリティを深掘りするお話をうかがっていきます。
コラム:共創のアイデア
対談中、代表の相澤さんからいただいた、MeteorさんとUI銀行の共創アイデアをご紹介します。
「私たちは、ゲームという間口の広いコンテンツを扱っているので、例えば親子向けのイベントを一緒に開催したり、高齢者に向けて選手がスマートフォンのゲームを教える教室を運営したりするのはいかがでしょうか。そこから、UI銀行のデジタルバンクの開設や、MeteorのYouTubeのフォロワー数を増やすなど、相互にメリットのあることを一緒にやっていけたらいいですね」
企業プロフィール
Meteor(ミーティア)
Meteorは湘南を拠点とするeスポーツチームです。
「Meteor(ミーティア)」とは「流星」という意味を持ち「esportsプレイヤーを輝かせる」ために誕生しました。
地域に根付いた活動をポリシーに、esportsの可能性を広げていきます。
株式会社UI銀行
UI銀行は、連携パートナーやきらぼし銀行を始めとしたグループ各社と協働し、対面・非対面それぞれの良さを活かした多様なサービスを通じ、お客さまのお金だけでなく、健康や知識、人とのつながりといった見えない資産=「わたし資産」を増やすお手伝いをしていきます。
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