ふやすのは、わたし資産。UI銀⾏のオウンドメディア

TOPICS

1. 自分の感情を記録しておくと、あとで自分自身を理解するのに役立つ「わたし資産」になる
2. ヘルスリテラシーの向上は、パートナーとの関係向上につながる
3. 既存のものから新しい価値を創造しているところが、ファミワンとUI銀行の共通点
   
   

UI銀行が、さまざまな企業と共創を通じて、暮らしや社会を豊かにする方法について語り合う連載企画。前編に引き続き、妊活・ヘルスケア事業を展開する、株式会社ファミワンの石川勇介代表取締役にお話をうかがいながら、妊活にまつわる「わたし資産」について考えていきます。

その時々の感情の記録が、自分を認め、前に進ませてくれる

UI未来Base：妊活をするにあたって必要な「わたし資産」とは、どのようなものだと思われますか？

石川：難しい質問ですが、自分がその時々に何をどう感じたかという「感情の記録」が「わたし資産」になりうるものではないでしょうか。妊活に関するさまざまな情報やニュースが飛び交う中、それをロジカルに整理することも大切ですが、情報を知った時に自分がどう思ったか、なぜそう感じたのかというところにフォーカスすることも必要です。それは自分だけの感情ですし、良い・悪いのない事実だと思うんです。

UI未来Base：自分の気持ちを「わたし資産」としてきちんと残しておくと、過去を振り返ったときに、これからの自分にとっての指針にすることができますね。

石川：妊活は成果が目に見えづらいものです。外傷なら治っていくのが分かるし、ダイエットも成果が見えやすい。妊活においても、例えば1,000万円かければ必ず妊娠できるのなら、頑張って貯金をするという方も多いでしょう。

でも、どんなことをしても確実に妊娠するという保証はどこにもありません。加えて、妊活は前進しているのかそうでないのか判断できないため、前向きになることも難しく、感情も大きく揺さぶられやすい。将来、妊娠できるかどうかも、誰にも分かりません。だからこそ、あのときにどう思ったのかとか、パートナーとどんな会話したのかなどの記録や記憶は、自分自身を理解し、認めてあげるために、大事な資産だと思いますね。

UI未来Base：なるほど。自分の感じた感情を残しておくことは、未来の自分を助ける資産になる可能性があるということですね。また、共に支え合うパートナーや周囲の人との絆も、「わたし資産」なのではと思いますが、いかがでしょうか。

石川：そうですね。私自身も妊活を経験して妻との絆が深まりました。そして絆が深まったことにより、お互いの変わらないところや、譲れないことも分かった気がします。おそらくそこが人間関係において大切なポイントではないでしょうか。

UI未来Base：確かに、自分が絶対に譲れないことは、他者と深く関わることで見えやすくなりますね。

石川：多くのカップルから「妊活以外は何でも話し合って解決できたのに、妊活だけは平行線になったり、よかれと思ったひと言で傷つけてしまったりした」との話も聞いています。もし妊活に成功して、子どもを授かったとしても、話し合いを避けてきた場合は子育てでも同じようなすれ違いがたくさん起きることでしょう。

だからこそ、妊活を通して得た経験や絆は、今後のパートナーとの関係において、とても役立つ資産になり得ると思いますね。    
     

積極的に「知る」ことで、パートナーを大切にできる

UI未来Base：妊活はもちろん、ヘルスリテラシーを向上させることも「わたし資産」につながると思います。

石川：そうですね。特に男性は、女性がホルモンの関係で感情がコントロールできなくなっていることなどを知らずに「いちいち泣かないで」「落ち着いて」などと言ってしまいがちです。残念ながら流産してしまったときに、「次また頑張ればいい」と励まして、逆効果になることも。無理に明るい言葉をかけるよりも、一緒に悲しんで寄り添う方がいいこともあるので、女性の体や心について知ることはとても大切だと思います。

UI未来Base：確かにそうですね。知識があればパートナーへのコミュニケーションが変わってくると思います。どのようにして、ヘルスリテラシーを積み上げていけばいいのでしょうか？

石川：一番は、ファミワンを使ってもらえたらいいと思うんですが（笑）。大切なのは、ちゃんとした専門知識がある第三者と接点を持つこと。そして、何か情報が出てきたら、そもそもそれがどんな文脈で出た発言なのか、エビデンスがあるのかなどをチェックする癖をつけるといいと思います。身近な例で言うと、新型コロナウイルスのワクチンについて、みんな好き勝手なことを言っていますよね。見聞きした情報を鵜吞みにせず、しっかりチェックするようにしてほしいです。

UI未来Base：大量の情報で溢れている時代だからこそ、正しい情報を見分ける目を持たなければいけませんね。

石川：ほかには、世の中のさまざまな事象に対して興味を持つことも有効だと思います。仕事と家の往復のみで、SNSでも関心があることだけが流れてくる環境にいると、得られる情報に偏りが起きてしまいます。例えば、買ったことがない雑誌をたまに見てみるとか、初めての商品を買ってみるとか、知らない場所に行ってみるとか、普段は触れ合わないような人の話を聞いてみるとか……。職場内でも、仕事の話だけでは広がらないので、もう少し雑談を大切にしてみるといいと思います。

UI未来Base：雑談を増やすというのは、コロナ禍において減ってしまったコミュニケーションを復活させるという意味でも大切なことですよね。

石川：そうですね。いろんな人と話して「こういう意見もあるんだな」と気付くのは経験として大切だと思います。私はこの会社を立ち上げる前に医療系の会社に勤めていたので、妊活のことはなんとなく知っているつもりでいたのですが、いざ当事者になったら全然知らないことばかりだと思い知らされました。

昔からあるものに、新しい価値を付与する事業を

UI未来Base：ファミワンさんとUI銀行の共通点は、どんなところだと思われますか？

石川：既存のものに対して、新しい体験を作っていこうとしているところですね。銀行も妊娠・出産も、昔からずっと続いていることですが、知ったつもりになっていたり、体験自体がほとんど変わっていなかったりします。妊活での不妊治療では、病院に行って医師からいろんなことを一気に言われて、家に持ち帰って悩むということが多いので、ちゃんと第三者が寄り添ってくれることが求められます。そのためのサービスを当社は展開しているわけですが、UI銀行さんも同じで「自分の資産ってこう考えるべきだよね」ということを、デジタルを通して行なわれていますよね。

UI未来Base：ありがとうございます。資産というお話でいうと、未来の自分のために健康や知識、お金といった資産を豊かにするサービスというところも似ていると思います。

石川：何か困ったときの対処療法だけでなく、事前に備えておくためのサービスということですね。病気も資産も、問題になったときにどうするかではなく、あらかじめ考えておくことが大切ですから、そういった背景は似ていると思います。

UI未来Base：それから、LINEなどのデジタルのサービスと、専門家からの丁寧なアドバイスやセミナーなどアナログの部分の両軸で事業を展開されているところも、デジタルバンクでありながら対面でのサービスも行なっている、われわれとの共通点ではないでしょうか。

石川：確かにそうですね。多くの人は当事者にならないと、なかなか妊活や健康に対して意識を高めようとはしません。でも、そうではなくて、常日頃から来るべきときに備えることを、妊活を含めた健康の分野で広めていくことが私たちの役割です。UI銀行さんと一緒にデジタルとアナログの両面から、人々の健康へしっかりと寄与していきたいですね。

まとめ

妊活事業とデジタルバンク。一見全く異なるように思えるファミワンさんとUI銀行ですが、根底にある考え方や目指している世界観には共通点があることが分かりました。健康も、それを支えるヘルスリテラシーや周囲の人たちとのつながりも、私たちの生活を豊かにしてくれる代えがたい「わたし資産」です。パートナー企業として、多くの人々が豊かな暮らしを実現できるよう、アイデアを出し合い、さらなる共創の場をつくっていきたいと思います。

コラム：共創のアイデア

今回の取材をふまえて、UI銀行がファミワンさんと叶えてみたい共創アイデアをご紹介します。

「妊活は、金銭的な面で悩む方が多くいらっしゃると聞きました。結婚を機に銀行口座を新たに開設する方も多いですから、例えば妊活のための積み立てなどを含めた、結婚後のライフプラン相談の機会をサービスとして提供するといった取り組みはどうでしょうか。

現在、UI銀行を含めた、株式会社東京きらぼしフィナンシャルグループは従業員とその家族がファミワンさんのサービスを無料で受けることができる実証事業を実施しています。これをお客さまにも広げて、ファミワンさんの妊活サービスを気軽に使える仕組みづくりなども検討していきたいですね」