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FiNC Technologies×UI銀行【前編】スマートフォンひとつで楽しみながら健康資産を形成

FiNC Technologies×UI銀行【前編】スマートフォンひとつで楽しみながら健康資産を形成

TOPICS

  1. FiNC社が考える健康な状態とは、1人で日常生活できる状態を続けられること
  2. FiNC社のアプリは、ひとつのアプリで身体の全てを管理できることが特徴
  3. 継続して記録をつけ、可視化することで健康になる

医療費負担増大の社会課題に向き合い、自分の健康状態を知り、健康への取り組みを行い、健康寿命を伸ばす。医療費を抑えることだけではなく、ひとりひとりがお金だけではない、健康という「わたし資産」に気づくことで、自分らしい豊かな生活が描けるのではないかと考えられます。

 

今回は、スマートフォンひとつでトータルな健康管理と、健康に関するアドバイスが得られるサービスを展開している、株式会社 FiNC Technologies(以降FiNC社という)の南野充則代表取締役にご登場いただきます。心と身体両方の健康資産をどのように貯めるのか、さらに社会課題に向き合う姿勢について、共に語り合いました。


金融投資だけで生活の豊かさは得られない。健康投資という新しい資産形成

 

UI未来Base:現在、医療費負担増大が日本の社会課題となっています。誰もが健康だと医療費負担が減りそうですが、FiNC社が考える健康な状態とはどのようなものかを教えてください。

 

南野:FiNC社が考える健康な状態とは、少子高齢化の現代において1人で日常生活を送ることができる状態だと考えていて、これは一般的に健康寿命と呼ばれています。健康を失い、寝たきりになって介護が必要になると、ご家族やご親類の方々に助けてもらわなければなりません。周りに負担をかけることなく1人で生きていける健康な状態で健康寿命を最大化していくことが大切だと言えるでしょう。

 

UI未来Base1人で生きていける健康な状態についてもう少し詳しくおうかがいできますでしょうか。

 

南野:1人で生きていくとは孤独に生きることではなく、1人で日常生活が送れ、自分の人生のオプションを自分で選択できることです。例えば、旅行など自分が好きなところにどんどん行ける状態が健康だと思っています。何かしら健康に問題が起きて寝たきりになることもありますし、寝たきりの手前には、高血圧や高脂血症、糖尿病などの病があります。原因はさまざまですが、ほとんどは生活習慣に起因すると言われています。人生100年時代と言われていますが、80歳くらいまでは生活習慣に気をつけることで、健康に生きていけるだろうという研究結果もありますので、生活習慣に起因する病気をどのように防ぐかが重要だと思っています。


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UI未来Base:健康で長生きしたいと私も普段から考えています。

 

南野:人生の最後の10年を健康で生きるのと、不健康で生きるのと、どちらが幸せかをみなさんに考えてほしいと思います。健康寿命を延ばすための生活習慣が自分のライフスタイルに合っているか、また、その生活習慣が慢性疾患を防ぐことができる状況であるかを知ってもらいたいのです。

 

UI未来Base:それでは、FiNC社が健康分野に特化しようと考えたきっかけを教えてください。

 

南野:FiNC社を創業する前から、高齢化社会である日本は医療費が増加し、健康問題への対応が必要になるだろうと考えていました。私が学生の頃、薬剤師が患者さんに薬の説明をするパンフレットの作成に携わったことがありました。そこで、糖尿病の患者さんに血糖値が上がりすぎないように薬が処方されていたのですが、薬剤師が薬の内容を説明しても、患者さんは薬を飲むことをやめてしまうということがありました。そういった状況を見て、そもそも糖尿病にならないように予防することが大切なのではないかと思っていました。医療分野では治療を丁寧に行うことが求められるため、病気を防ぐ取り組みは難しいと感じると同時に、予防分野はITと相性が良いなと思いました。私はエンジニアでもあるので、予防分野でのアプリケーションを作ることが日本のためになり、病気になる前のデータを蓄積すれば、データに基づいた病気の原因を説明できると思ったのです。

 

なぜ人は病気になるのか、どうすると人は痩せるのか、どうしたら高血圧が治るかなどを、データで可視化することで、今まで理解できなかったことが理解できるようになる。これをビジネスにすれば国のためにもなるし、人の助けにもなる。みんなにメリットがあると思い、FiNC社を立ち上げました。

 

さらに海外では、日本人は健康というイメージが強く日本食もヘルシーでおいしいと言われています。このような日本の強みを世界に持っていったら受け入れられやすいと感じました。日本人の健康や食文化を海外に輸出してみたいという思いもFiNC社創業のきっかけです。

 

健康を可視化することで得られるメリット

UI未来Base:FiNC社が提供する健康を管理するアプリの特徴を教えてください。

南野FiNC社のアプリの特徴は、ひとつのアプリで身体の全てを管理できることです。歩数や体重、食事や睡眠などのさまざまなデータを管理できます。さらに、ユーザーが楽しんでアプリを使ってもらえる仕組みを搭載しています。

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UI未来Base:具体的にどのような仕組みが搭載されているのでしょうか。

 

南野:まずは、アプリを使うとポイントが貯まる仕組みがあります。人間は自分にメリットがあると感じると頑張ろうという気持ちになり、継続につながります。さらに、AIから健康に関する取り組みのアドバイスも受けられ、「インセンティブがもらえること」と「アドバイスが受けられる」という2つの仕組みによって、ユーザーが楽しんでアプリを利用できるのです。

 

また、アプリを続けることで健康習慣が身につき、自分の健康がアプリで可視化されることで、病気の予防にもつながります。

 

UI未来Base:自分の健康習慣がアプリで見られるとうれしいですね。では、健康を可視化するとどんなメリットがあるのでしょうか。

 

南野:アプリを使い始めると毎日の歩数が顕著に増える傾向があります。ユーザーは最初に歩数計を使い始めることが多く、たくさん歩くようになり、健康になります。また、体重がグラフ化されるので、体重計に乗るだけでダイエット効果が出たというデータもあります。可視化することで自分の体重への意識が変わり、体重が減ったり、適正な体重を維持できたりするんです。さらに食事の記録をつけると、摂取カロリーや栄養素の一覧が確認でき、カロリーを摂りすぎていないか、ビタミンなどが十分に摂れているか、食塩を摂りすぎてないかなどがひと目で分かるので、自分の食生活が意識されて変わっていきます。そうなる理由として、人間は意識をすることで多くの情報の中でも意識している情報だけを積極的にキャッチする脳の働きがあるからです。健康を意識すると、例えば「糖質って何だろう」と調べるきっかけとなり、健康リテラシーが上がる、これが可視化のメリットです。

 

UI未来Base:可視化によって健康リテラシーの向上が期待できるのですね。しかし、体重が増えたときなどはショックが大きくなりそうですが…。

 

南野体重計に毎日乗ると、昨日と比べて体重がちょっと増えることはあります。そのときには「今日の昼ご飯は少なめにしよう」「今日の主食は玄米にしよう」など意思決定ができます。可視化して情報がキャッチできると、いろいろなことをやってみたくなります。これがPDCAとなり、身体が変わっていくのです。昼ご飯を少なめにした後、体重計の数値が少しでも下がったら、「翌日も頑張ろう」となります。変化が見えることで健康的なループに入っていきます。これは勉強と同様で、勉強してテストの結果が良くなると、自分の勉強に対してポジティブになり、より行動に移したいと思えるようになります。勉強も健康も自分が成長した実感や効果があったと分かることが大切であり、健康をグラフで可視化する意義はここにあります。

 

UI未来Base:今日は体重が少し増えても、その後に戻すことができれば良いのですね。少し気持ちが楽になりました。

 

南野:実は、他にも継続する方法があります。例えば、歩数をみんなで競い合うことです。企業でグループを組んで社内で歩数を競い、上位数名が表彰されるというようなインセンティブをつけることで、明らかに歩数は増えます。周りがやっているから自分もやらなければという意識が芽生えるからですね。さらに、ポイントが貯まるなどのインセンティブも効果があります。2022年に、1万歩を3日連続で達成したらドリンクがもらえるというイベントを行った結果、雨が続いた3日間にもかかわらずたくさんの方が達成しました。インセンティブは人を動かすひとつの方法だと実感しました。インセンティブとグループ化、可視化の3つは継続に効くと、アプリを提供して改めて思いましたね。

 

UI未来Base:アプリを継続することの大切さは理解できたのですが、アプリへの記録をさぼりがちな人も多いかと思います。長く記録を続けるためのアドバイスを頂けますでしょうか。

 

南野:継続は力なりというように継続は大事ですが難しいことです。継続するために必要なことは、記録が面倒でないと思うことだと考えています。人は面倒なことは続けませんので、手間のかからない方法がベストでしょう。例えば、歩数はスマートフォンを持ち歩けば計れるし、体重は体重計をお風呂場の前に置けば、すぐに体重や体脂肪が計れるというように、生活動線に組み込むことで継続できると考えています。


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UI未来Base:体重計に乗るだけなら、1分もかからないので継続できそうですね。

 

南野:面倒なく記録ができるように、私たちはFiNC社のアプリに連動できる体重計の販売もしています。この体重計に乗ると体重や体脂肪など11項目がアプリに連携され記録できるようになっています。生活動線にFiNCアプリがあることで、自然に健康な生活習慣を身につけてもらうことができるわけです。

 

UI未来Base:他にも、生活動線に入れられる機能はありますか。

 

南野:他には、食事や睡眠ですね。朝起きるためにアラームをかけますよね。睡眠のデータを可視化するには、アラームと組み合わせて生活動線に組み込むことだと考えています。アプリでアラームをかけて眠ることで、睡眠の質などをデータ化できると睡眠への意識は高まります。

 

そして、食事。食べたものを全部記録するのは面倒ですよね。手間をかけてもそれ以上のメリットが得られると人間は手間を惜しまなくなるのですが、それでも食事を毎日記録するのは難しいです。そこで一週間だけ記録してもらい、アプリが食事の傾向を分析し「あなたは、このような食事が良いです」とアドバイスをもらえる機能があります。一週間だけなら食事記録を続けられると思います。そうして自分にとって適切な食事を理解すれば、今後の人生で自分は何を食べると健康でいられるかが分かります。このような体験をみなさんに続けてほしいと考えています。

 

UI未来Base生活動線に組み込むことで、継続が可能になるのですね。しかし、それでもついさぼってしまったときは、どうしたら良いでしょうか。

 

南野さぼってしまったときは、さぼっても良いと思うことです。さぼった自分を責めることはやめましょう。その代わり、また記録をつける生活に戻れたら自分をほめてあげましょう。休むときは休んで、さぼってもまた始めることが大切なので、私たちはまた戻って来られるきっかけ作りも仕事だと思っています。先ほどの1万歩を歩くイベントへの参加なども、アプリを再開するきっかけとなり、再び健康への意識を高められます。イベントを定期的に開催することで、さぼってもまた戻れるきっかけになります。

 

UI未来Base:さぼったときは自分を責めずに、一時的なお休みだと思って、また始めれば良いのですね。

 

南野:そうですね。他にも、年一回の健康診断が自分の健康意識を高めるタイミングであり、健康診断をきっかけにアプリに戻ってきてもらう仕組みも大事にしています。




まとめ

前編では、FiNC社の南野代表取締役に、創業したときの思いやアプリの特徴をうかがいました。FiNC社のアプリは「健康の可視化は健康寿命の長さに影響する」という南野さんの言葉から作られています。後編では、自分らしい豊かな生活を描くためのお金以外の「わたし資産」について、南野さんのプライベートを含めて詳しくうかがいます。

企業プロフィール

株式会社FiNC Technologies

https://company.finc.com/

株式会社FiNC Technologiesは、予防ヘルスケア×テクノロジーに特化したヘルステックベンチャーです。管理栄養士や理学療法士等の資格保有者、データサイエンティストやエンジニア、栄養学などのライフサイエンス領域の研究者で構成された集団です。また、PHR サービス産業の発展を通じて国⺠の健康寿命の延伸や豊かで幸福な生活(Well-being)に貢献してまいります。

株式会社UI銀行

https://www.uibank.co.jp/

UI銀行は、連携パートナーやきらぼし銀行を始めとしたグループ各社と協働し、対面・非対面それぞれの良さを活かした多様なサービスを通じ、お客さまのお金だけでなく、健康や知識、人とのつながりといった見えない資産=「わたし資産」を増やすお手伝いをしていきます。

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