「おカネのこと」をもっと身近に親しみやすく。アプリリニューアルに秘めた思い
2024年07月02日
TOPICS
- 簡単で使いやすくリニューアル。新しいアプリの特徴
- 日常の延長線上にある金融サービスを目指す
- デジタルバンクが深める家族の絆という「わたし資産」
近年、買い物や決済などのデジタル化により、日常生活における利便性は向上しています。現金を扱わずにお金のやりとりができるようになり、金融リテラシーの必要性はより高まっていると言えますが、年齢や性別、デジタルスキルなどにより、金融リテラシーには個人差があるのが現状です。
金融リテラシーの差にかかわらず、「おカネのこと」をもっと身近に、親しみを感じられるよう、UI銀行のアプリが全面リニューアルされました。アプリを使いながら、お金だけでなくお金以外の「わたし資産」に気づくことで、一人ひとりが自分らしい豊かな生活を描けると考えています。
今回は、リニューアルされたUI銀行アプリと、今後のUI銀行が目指す姿、さらにお金以外の「わたし資産」について、UI銀行の代表取締役社長である安田 信幸さんにお話を伺いました。
■UI銀行アプリのリニューアルとその背景
UI未来Base:まずは、UI銀行とリニューアルしたUI銀行アプリについてお聞かせください。
安田さん:UI銀行は東京きらぼしフィナンシャルグループ傘下の銀行です。きらぼし銀行はリアルな店舗を持ちますが、UI銀行はリアルな店舗を持たないデジタルバンクです。
デジタル化の急速な進展を踏まえ、まずは早くデジタルバンクを立ち上げる必要があったことから、預金と為替が利用できるアプリからスタートし、ほかの機能は徐々に加えていくことにしました。
開業して1年経った昨年の4月に、私は社長に就任しました。デジタルバンクに対する期待は開業当初より大きくなっており、UI/UXの向上に向け、アプリを改善し、各年代層に使っていただきたい、特にきらぼし銀行のご高齢のお客さまにも使いやすいアプリにしたいとの想いがありました。
今回のリニューアルでは他行のアプリも参考にし、分かりやすく、直感的に操作でき、サクサク動かすことができるようにしたいと考えました。そうした中で出会ったのが、韓国の新韓銀行の「SOL」というアプリです。デジタル化が進んでいる韓国はオープンバンキングが普及しており、お客さまがどこの銀行を使っていても、一つのアプリでさまざまな銀行口座が照会でき、お客さま目線で考えたときに便利だと思いました。それを参考にして、アプリが日常に溶け込み、非金融のサービスの延長線上で金融サービスを使ってもらえるアプリにリニューアルすることを目指しました。
さらに、できるだけシンプルに、スピードも速く、遊び心があってワクワク感を持ってもらえる要素を加えたこともポイントです。ワクワク感や遊び心の一例として、アプリにログインすると最初に残高などが表示されますが、この画面に自分の好きな写真を入れることができます。また、振り込みをしたあとにメッセージを送ることもできます。
UI未来Base:分かりやすいアプリということが、今回のリニューアルの大きな特徴ですね。
安田さん:かなりシンプルに作りました。「今の50代なら、20年後でもスマホを自由に使えるだろう」という意見もありましたが、70代になれば目が見えにくくなったり、指先も思うように動かなくなったりすることもありますので、できるだけ簡単で使いやすい「シンプルモード」へ切り替えられるようにしました。
また、日本の銀行のアプリは平面的な画面のデザインが多いのですが、海外では立体的なものが多いことから、ユーザーインタビューも踏まえ、UI銀行のアプリは、平面と立体の中間のデザインを採用しました。数ある銀行アプリの“いいとこどり”ができるようさまざまな工夫をしてきました。
UI未来Base:アプリのリニューアルでどのような課題が解消できたのでしょうか。
安田さん:多くの課題が解消できたと思います。以前は、UI銀行のアプリをダウンロードいただいても、口座開設までの手順が多く、途中で操作をあきらめてしまい口座開設まで結びつかないことが多くありましたが、今回のリニューアルでその点が最も改善されました。また、以前より操作性がかなり良くなったので、リニューアル後には「これなら口座を開設する」という評価もいただけました。
UI未来Base:今後さらなるアップデートも考えていらっしゃいますか。
安田さん:もちろんです。まずは早く「SOL」に近い形にしようと考えています。今回のリニューアルにあたり、行員や役員も含めて多くの方にアプリを使ってもらい、さまざまな改善要望もいただきました。リニューアル後は以前より早い期間でアップデートできますので、お客さまの声をいち早くアプリに反映させることができます。
なお、アプリのリニューアルにあたり不具合が発生し、一部のお客さまにはご迷惑、ご心配をおかけしたことを、深くお詫び申し上げます。今回の事象を真摯に受け止め、今後も使い勝手の良いアプリに改善していきたいと思いますので、引き続きご愛顧いただきますようよろしくお願いいたします。
■UI銀行の目指す姿
UI未来Base:スマホ専用銀行であるUI銀行の設立のお話などもお聞かせいただけますか。
安田さん:スマホを利用した銀行には、デジタルバンクやネット専業銀行などがあります。UI銀行はスマホ専用デジタルバンクですので、銀行の機能を提供するだけではなく、非金融も含めたサービスを提供することを目指しています。
UI銀行の設立の背景には、きらぼし銀行のお客さまの動きの変化があります。きらぼし銀行のお客さまは支店の窓口やATMコーナーで手続きをされます。
しかし、お金をおろすことはコンビニでもできますし、キャッシュレスもどんどん進んでおり、窓口にいらっしゃる方や銀行のATMを利用する方は少なくなりました。デジタル化が今後も進んでいく中で、きらぼし銀行が立派な店舗を構えておく必要性はなくなるかもしれません。
これからの銀行の店舗は、銀行取引そのものを行う場所というよりも、お客さまからお話を聞かせていただき、お客さまの悩みを解決する場所に変わっていくかもしれません。そのため、お客さまにとっては、通常の銀行取引をいつでもどこでもできることの重要性が増すことになります。
家にいながら平日でも休日でも24時間スマホで銀行取引ができることで、“わざわざ銀行に行き長時間待たされる”といったストレスも減らせることになります。
つまり、きらぼし銀行におけるデジタル化をUI銀行が担うことで、窓口業務の効率化や生産性の向上を図り、お客さまへの対面相談やコンサルティングサービスの強化につなげることが可能となります。この点もUI銀行を設立した背景です。
UI未来Base:スマホ専用銀行を設立するにあたり、設立して良かった点をお聞かせください。
安田さん:お客さまをお待たせすることがなく、銀行取引が「便利になった」という声をいただけることが、非常に良かったと思います。
また、これまでは店舗で人を介して取引することが前提となっていましたが、デジタルバンクの設立を経費削減につなげ、新たな投資を行える機会の拡大に寄与できていることも成果であると考えています。
UI未来Base:スマホ専用銀行であるUI銀行の目指す姿を教えてください。
安田さん:UI銀行が目指すのは、日常の延長線上で気がついたら金融サービスを利用しているという姿です。日本にはメガバンクや大きな経済圏の中で金融サービスを提供しているグループがあり、それぞれが大きなプラットフォームを持ってお客さまの囲い込みを進めています。我々はそれより小さな経済圏、独自のコミュニティに特化し、生活に溶け込む中でUI銀行のアプリを使っていたという世界観を目指します。
一つの例として、UI銀行は「女神のサイフ」という女性専用の普通預金を作りました。「女神のサイフ」は利息が毎月付き、女性が利用しやすいフェムテックサービスなどのクーポンが利用できるといった特徴があります。口座を開設いただいたお客さまからはこういったサービスが利用できてうれしいというお声をいただいております。
特定のお客さまに絞った商品を作ることは、社会課題の解決にも役立ちます。「女神のサイフ」は女性の活躍を応援する取り組みの一例ですが、環境問題や労働人口の問題にも取り組みたいと考えております。
リアルの店舗を持つきらぼし銀行とデジタルバンクであるUI銀行がタッグを組み、お客さまが必要とするサービスを提供できることは、きらぼしグループの強みです。UI銀行が社会課題解決型の企業に成長していくためには、きらぼしグループのほかの会社とも連携し、さまざまなサービスを提供できるアプリに進化していかなければなりません。また、きらぼしグループ以外のさまざまな企業ともタイアップしてサービスを提供していくような事業展開も目指しています。
■自分らしい豊かな生活を描くための、お金以外の「わたし資産」を考える
UI未来Base:自分らしい豊かな生活を描くため、お金以外で今後増やしたいわたし資産をお聞かせください。
安田さん:お金以外では、私はファミリーの絆が重要であり、増やしていきたいわたし資産だと思っています。私自身もファミリーの絆を大切にしていますが、お客さまには世代を超えた家族単位でUI銀行の口座を通じて楽しみを作っていただきたいと思います。
年齢を重ねればスマホで銀行口座を作ることも難しくなっていきますが、そんなときはお子さまやお孫さまがサポートすることで、デジタルが苦手なシニアの方もデジタルバンクを活用できます。世代のつながりを大切にして家族の絆というわたし資産を築いていただけると理想です。
UI未来Base:家族の絆というわたし資産をデジタルで作るのですね。代表取締役社長として、UI銀行の今後の発展のために増やしたいわたし資産もお聞かせください。
安田さん:企業として増やしたいわたし資産は、行員の皆さんがワクワク感を持って働き、「UI銀行はやりたい仕事がやれる会社だ」「ここで働いていて良かった」と思ってもらうことです。これは大きな資産です。
UI未来Base:一人ひとりの自己実現は企業の大きなわたし資産ですね。
安田さん:今はまだ創業期であり、アプリの改善や商品の品揃えにまい進していますが、今後はお客さまにも楽しんでもらい、ワクワク感を持ってもらえるサービスをもっと提供していきたいと思っています。
新たなサービスを生み出すには、自由な発想が出るような環境を作り、行員の皆さんが気持ちに余裕を持ってスマホの向こう側のお客さまの笑顔を想像して仕事ができることが大切だと思います。経営陣はその環境を作る立場にあります。
UI未来Base:ワクワク感を持って働くために、企業はどんなことができますか。
安田さん:まだ道半ばで、行員からは「社長は何を言っているんだ?」と思われることもあるかもしれませんが、デジタルバンクだからこそできることを推進していきたいですね。新たなことにチャレンジしてもらうために、行員へのサポートやチャレンジする場の提供を進めたいと考えています。チャレンジする機会を増やすことが今年度の目標です。
UI未来Base:行員一人ひとりがわたし資産を増やすにはどのようなことが重要だと考えますか。
安田さん:私自身がわたし資産を多く持ってはいないので難しいですが、UI銀行は若い行員も多く、さらに外国籍や女性の行員も多くいます。
いろいろな価値観がある中で、コミュニケーションを取り、みんなで一緒にチャレンジをすることで、わたし資産が増えると思います。他の人の意見を吸収し、自分が社内で何をやるべきかを考え行動することが、わたし資産を増やすコツと言えます。
UI未来Base:コミュニケーションの強化で新たなわたし資産が築かれるのですね。わたし資産を増やすためにどんなことを日常的に気にかけたら良いでしょうか?
安田さん:日常生活の中では、いろいろなものに好奇心を持つことだと思います。忙しく1日が過ぎてしまうこともありますが、日常生活で「これってどうしてこうなっているの?」とか、「これって本当はこうしたほうが良いのでは?」とか、「このほうがお客さまに喜んでいただけるのでは?」などと気にかけることで、新たな発想が生まれると思います。
UI未来Base:日常生活の中でも好奇心を持ち行動することが、わたし資産を増やすことに役立つのですね。では、お客さまも含めてこれからわたし資産を築きたいと考えている皆さんにメッセージをお願いします。
安田さん:若い方は特に、社会に役立つことや社会貢献することに非常に関心が高いと聞いています。個人も企業もですが、実際に社会に役立つことは、口で言うだけではなく、行動することで実現できます。自分の一番大切なものを探し、見つかったあとは大きく育てるための行動をとると良いと思います。
UI未来Base:お金の学び方についてもアドバイスをお願いします。金融リテラシーの向上が必要と言われていますが、お金の勉強は難しいと感じてしまいます。
安田さん:昔は、お客さまに「銀行員のアドバイスを聞いてください」と言えたのですが、時代が変化し、情報の非対称性は薄れました。
つまり、誰でもさまざまな情報が入手できるようになり、お客さま自身が情報を集めて学べるようになりました。その一方で、情報がありすぎて取捨選択ができないこともあります。金融教育は必要ですが、まずは自分自身で将来を考えることです。5年後や10年後、老後などのゴールを決めると、自身に必要なお金が見えてきます。そうすれば自分の資産は預金とするのが良いのか、投資信託が良いかなどの判断ができるようになると思います。
私は、目的に向かってコツコツと資産を増やすことで金融知識も貯まり、金融リテラシーが向上すると考えます。
UI未来Base:お金が貯まっていくのがアプリで見て分かるとうれしいですね。
安田さん:きらぼしグループには証券会社もあります。銀行の残高や証券会社の残高も含めて、UI銀行のアプリでまとめて確認でき、現在の資産がどのくらいか分かると良いと思いますので、UI銀行のアプリはさらに進化しなければなりません。ぜひ今後のUI銀行を楽しみにしてください。
<まとめ>
ワクワク、シンプル、スピーディーをテーマに生まれ変わったUI銀行の新アプリ。アプリとともに、安田さんにお話しいただいた仕事にワクワク感を持つことや、日常生活でも好奇心を持って行動することが、皆さんの人生を豊かにするヒントになれば幸いです。
企業プロフィール
株式会社UI銀行
UI銀行は、連携パートナーやきらぼし銀行を始めとしたきらぼしグループ各社と協働し、対面・非対面それぞれの良さを活かした多様なサービスを通じ、お客さまのお金だけでなく、健康や知識、人とのつながりといった見えない資産=「わたし資産」を増やすお手伝いをしていきます。
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