UIタイムトラベラーvol.2 ぴあ×UI銀行 エンタメ業界と「わたし資産」の変化とは
2023年06月20日
TOPICS
- テクノロジーの発展により、情報収集やチケット入手が簡単に
- エンタメを通じた体験やファン同士のつながり、思い出の蓄積が「わたし資産」になる
- ぴあ株式会社とUI銀行はともに、エンタメを通じてお客さまの「わたし資産」を豊かにする取り組みを行っていく
エンターテインメント情報を網羅した情報誌『ぴあ』の創刊や、コンピューターによるチケット販売システム「チケットぴあ」の開設など、日本のエンタメ市場に革命を起こし続けてきたぴあ株式会社。『ぴあ』が創刊された約50年前から、オンラインイベントやデジタルチケットが当たり前になった現在まで、エンタメの形や楽しみ方はどのように変化してきたのでしょうか。
UI銀行のパートナー企業である、ぴあ株式会社の川端俊宏取締役に、エンタメ業界の歴史や、エンタメに対する価値観と「わたし資産」の変遷についてお伺いしました。
※「わたし資産」とは、お金や家などの有形資産だけでなく、思い出や経験、知識、人とのつながりといった無形資産も含んだ、私たち一人ひとりの固有資産を意味する、UI銀行オリジナルの言葉です。
50年前と今とでエンタメ業界はどう変わった?
ぴあ株式会社の取締役 兼 PIA DAIMANI Hospitality Experience株式会社(※)の代表取締役社長、川端俊宏氏
(※)PIA DAIMANI Hospitality Experience株式会社
今年2月に設立したグローバルでホスピタリティを扱うスイスDAIMANI社と、ぴあ株式会社のジョイントベンチャー。欧米では既にスタンダートなホスピタリティを日本やアジア圏に広げる為企画制作から販売、運営までワンストップで手掛ける。
UI未来Base:テクノロジーの発展によって、オンラインイベントやデジタルチケットなどさまざまな手段が加わり、エンタメの形や楽しみ方は大きく変化しました。川端さんが感じる、この50年間でのエンタメ業界に起こった、大きな変化を教えていただけますか?
川端:チケットを入手するための時間が減ったのが、一番大きな変化だと思います。1972年に雑誌『ぴあ』が発行される前は、どこにチケットが売っているのかさえ分からないので、雑誌などを参考にプレイガイドを歩き回って探すのが当たり前だったんです。
1984年に電話受付による予約機能、そしてチケットぴあ店舗での発券システムができると、プレイガイドを探す手間や時間が省けるようになりました。2000年代に入ってインターネットが普及すると、エンタメ情報の発信は雑誌からWebサイトへ移行し、さらに便利になっていきます。オンライン上でチケットを購入したり、抽選申し込みを行ったりするのも今では当たり前になりました。チケット購入のために何時間も並ぶなんて、今の若い人は考えられないかもしれませんね。
一方で、私たちの世代が驚かされるのは、「推し活」文化ですね。アイドル黄金期だった1970年代は、狂信的なファンからアイドルを守るために、有志で「親衛隊」が結成されることもありましたが、一部だけの話でした。最近は、SNSの発展によってコミュニケーションをとりやすくなり、顔を知らないファン同士が交流することも当たり前になりましたよね。また、アイドルだけでなく、アニメや漫画のキャラクター、スポーツ選手、インフルエンサーなど、応援する対象が拡大しているのも近年の「推し活」の特徴だと思います。
エンタメが提供する「わたし資産」の変化とは
UI未来Base:エンタメは思い出や人とのつながり、感動など、さまざまな「わたし資産」を増やしてくれるもの。こうしたエンタメの変化は、「わたし資産」にも大きな影響を与えていると思いますが、この50年でどのように変化したと思われますか?
川端:この50年で感じる「わたし資産」の変化としては、エンタメの思い出が「公演」における体験に集約されてきたことですね。プレイガイドに長時間並んでチケットを入手していた時代は、「店頭に5時間も並んだ」「電話がなかなかつながらなかった」といった苦労話と、実際に観た公演の感動がワンセットで“思い出”として語られていました。体験に対するプロセスが多いほど、そのインパクトは大きくなり、余韻も長くなると思います。
また、便利になった一方で、自分の足を使って新しい体験を発見する、といったことも減ってきたように思います。触れられる情報量は豊富ですが、多すぎて逆に見つけるのが難しくなってきているのではないでしょうか。エンタメは人生を豊かにしてくれるもの。よく笑うと健康に良いと言いますが、エンタメも同じで、触れる時間が長いほど、人生は楽しく豊かなものになると考えています。
ぴあは、エンタメにまつわる時間や思い出などの「わたし資産」を増やし、体験の価値向上をめざすために、「ホスピタリティプログラム」というサービスに注目しています。試合観戦を楽しみながらの食事や、選手との交流といった特別な時間がパッケージングされたサービスのことで、欧米ではすでに広く普及しています。効率的にチケットを入手できることも資産なので、それは残したうえで、より豊かな“思い出”を提供してくれる、こうした特別体験のサービスは今後、日本でも広がっていくと思います。
先ほどの推し活の話でいうと、アイドルとファンとの交流会である「ファンミーティング」もホスピタリティプログラムになるのでは、と考えています。例えば、ある会場で野球の試合の翌日に、アイドルのライブが予定されていたら、野球の試合席に、そのアイドルの「推し活専用席」を作るとか。そうしたら、アイドルのライブのために前泊している人が、同じ時間と場所を共有するために集まってくれると思うんですよね。もしかしたら野球ファンの方には怒られるかもしれませんが(笑)。
でも、共感できる人と一緒に野球を観戦することで、アイドルファンの子たちが野球ファンになったり、新たな推しができるきっかけになったりするかもしれませんよね。自分が好きなことだけではなくて、全く違う種類のエンタメをコラボさせることで、お客さまがエンタメに触れる時間をもっと増やせるかもしれないと考えています。
ぴあ×UI銀行がもたらす、エンタメと「わたし資産」の未来
UI未来Base:最後に、UI銀行と一緒にこれから取り組んでみたいことがあれば教えてください。
川端:エンタメ業界は、経験や思い出、心の豊かさなど形のない「わたし資産」を提供する業界とも言えます。その資産の増加やコスト対効果の可視化ができると、エンタメをより楽しむ手助けになるのではないでしょうか。例えば、「ホスピタリティプログラムに10万円使い、うち4万円が貴重な体験資産に変わりました」というように、銀行の通帳のような形で「わたし資産」を貯蓄できる仕組みがあるとおもしろそうですね。
UI未来Base:すてきなアイデアですね。50年前も今も、私たちはエンタメに触れることで「心を揺さぶる何か」を求めてきました。この「何か」は目に見えるものではありませんが、心の金庫にそっとしまっておき、時おり取り出して眺める……といったことを誰もが経験していると思います。
川端: 確かに、エンタメが私たちに与える心の揺さぶりや鮮やかな感情は目に見えませんが、人生を彩ってくれる大切なものですね。今、エンタメ業界は急速に変化しており、コンテンツの形や消費方法も進化しています。AIやVRなどの発展により、ますますスピーディーに変化し、より多くの人々の「わたし資産」を増やしていくことができるのではないでしょうか。
UI未来Base:楽しみですね。すでに一部で実施されていますが、エンタメは今後さらに社会的な課題にアプローチする手段にもなり得ると思います。例えば、エンタメを通じてシニア世代をつなげることで孤独化問題を解消したり、企業や行政の手続きにエンタメ要素を盛り込むことで煩わしさを軽減したり……。こうしたエンタメを介した「わたし資産」の提供について、ぴあ株式会社さんとの共創を通じて考えていきたいですね。
企業プロフィール
ぴあ株式会社
ぴあは、年間約7500万枚の興行チケットを取扱い、約1750万人の会員と約3.8万ヶ所の販売網を持つチケットエージェンシー。興行の主催、会場の運営、スポーツ団体や会場へのソリューション提供、メディアの企画・編集など、エンタメ分野で幅広く事業を展開する。
株式会社UI銀行
UI銀行は、連携パートナーやきらぼし銀行を始めとしたグループ各社と協働し、対面・非対面それぞれの良さを活かした多様なサービスを通じ、お客さまのお金だけでなく、健康や知識、人とのつながりといった見えない資産=「わたし資産」を増やすお手伝いをしていきます。
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